ヒトやチンパンジー、モグラ、ハリネズミなどがこの型で、
胚子の絨毛が子宮内膜を溶かし上皮を突破、その深部まで自ら引きこもって大きくなります。
子宮の内部の空間という意味で
子宮腔という用語がありますが、偏心および壁内着床では結局のところ子宮腔に胚子は存在せず、子宮の壁の中に胚子がいることになります。
絨毛は胚子自体が内膜を突破しているので当然母体に差し込みますが、差し込んだ絨毛からもっと小さい絨毛が生えていて、さらに栄養吸収効率が良くなっています(
血絨毛膜絨毛胎盤)。
このように、一言で着床と言っても動物種によってそれぞれ異なる形態の着床が起こっています。
胚子が子宮内膜と接着するということは栄養を与える母親とくっつくことです。そのくっつき方がより密着しているほど、すなわち、
より母体と一体化しているほど栄養を受け取る効率が良くなります。
このくっつき方と栄養効率の関係は胎盤の組織を見ると上手いことできていて面白いです。
→参照:
上皮絨毛性胎盤、
血絨毛性胎盤、
血絨毛膜絨毛胎盤