卵円孔

心臓は初め、左右の心房が繋がっています。この時つないでいる穴を卵円孔といいます。
心房同士の仕切りとしては一応、一次心房中隔、次に二次心房中隔という構造が伸びてきて左右の心房を分ける方向に発生します。ですが、それらは一旦穴(卵円孔)が開いた状態で停止し、そのまま胎仔が出産されます。
大動物では生後数ヶ月後に卵円孔は閉鎖されますし、わずかであれば閉じていなくても特に問題はありません。
ですが、当然大きく穴が空いた状態では肺循環が上手くいかず命に関わります。

ならどうして発生中は心房に穴を開けておくの?


卵円孔が胎仔のときに閉じてしまう、卵円孔早期閉鎖という場合があります。
この場合では、胎仔の右心房および右心室は肥大し、左心房および左心室は発育が悪くなり死亡する傾向があります。

「心臓のある部分が肥大する」というのは高血圧がかかっていることを意味することが多いこと

また、

右心の本来の役割は体循環し流入する血液を受けること

であることからおそらく、胎仔の心臓は血圧への抵抗が不十分であることを意味すると考えられます。
つまり卵円孔は、血流の通り道を多く開けることで心臓にかかる血圧の負荷を軽減しているのだと考えられます。
参考
動物発生学 文永堂 2012

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